2025/05/13 16:35
これ、わたしが若い時の話。
地元の駅前にデパートが建設されることになりました、古くからあるお寺を移転させて。
歴史のあるお寺だったので、工事中に昔の土葬された骨がたくさん出てきたそうです。
わたしは転職して、そのデパートで働く予定になっていました。
建設中から「出る」というのは地元民の間では有名で。
工事関係者のケガ人も多かったそうで、オープンも一ヶ月半遅れました。
当時ご縁があった行者さんが、「あそこで働くんですか。では、就職のお祝いに」とお札を作ってくださいました。
働き始めてからもそんな話は絶えず、特に「地下は出る」と言われてました。
オープン前の立ち上げ準備中にデパートの若い男性社員さんに「出るってホント?」って聞いたら、「出るわけないじゃないですか!!」とすごい剣幕で言われて、「出るんだ・・・」と逆に思ったりして。
そんなある日。
わたしが勤めていたメーカーは月に一度ミーティングがあって、早番でも休みでも出ないといけません。
ミーティングは閉店後の売り場であります。
その日、わたしは早番だったので、一回家に帰り、車で出直しました。
駐車場は地下。
ミーティングが終わったのが22時頃。
トイレに行って帰ろうと、駐車場があるフロアのお客様用トイレに入りました。
個室がふたつ。
ひとつはドアが閉まっていました。
レストラン街がまだ営業していたので、誰か入っているんだろうと思いましたが、何の物音もしません。
トイレに入っている間、妙に落ち着かなくて。
何か見られている感じがするというか。
ドアの下のすき間や天井の方をキョロキョロ見回しながら用を足し、急いで出ました。
その間、誰か入っているはずの隣からはやはり何の物音もなく・・・。
次の日、出勤して同僚にその話をしたんですよ。
そしたら。
「よく入ったね・・・、ドアが閉まってるトイレがあったやろ?あんまり出るんで封鎖してるんよ。知らんかった?」
知りませんでした!!
そこには5年間勤めましたが、事件とか事故とか、ホントいろんなことがありました。
そういえば、最近そのトイレに入ったんですよ。
もう封鎖はされていませんでした。
もう出ないのか、気にしないことにしたのか。
どっちなんだろう?
